一般研究
- (イ) 「セム語文字資料に基づく古代オリエント世界の研究」
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担 当:月本 昭男(館長)
楔形文字書板を含むセム語資料に基づいて古代オリエントの歴史と社会、宗教と文化を探究し、古代オリエント世界が人類の精神史に及ぼした影響について考察する。
- (ロ) 「西アジア・中央アジアの考古美術の東西交流」
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担 当:津村 眞輝子(副館長)
様々な民族が支配した西アジア、中央アジアにおいて、それぞれの制度や文化がどのように共存・継承されたのかを、ヘレニズム期から初期イスラーム時代(前4〜後8世紀)の出土資料をもとに考察する。
- (ハ) 「西アジア考古資料による生産技術と交流の研究」
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担 当:津本 英利(研究部長)
紀元前1200年頃に起こった、青銅器から鉄器への移行という人類史上の画期的な変化について、発掘調査で出土した考古資料に基づいて、歴史的・社会的・技術的側面から考察する。
- (ニ) 「古代エジプト神話の比較神話学的分析と考察」
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担 当:田澤 恵子(研究部長)
葬祭文書などに残る多くの断片化された古代エジプト神話を整理し、その結果を比較神話学的手法で分析すると共に、関連する考古史料も用いて古代エジプト人の心性について包括的に考察する。
- (ホ) 「バルカン半島の青銅器時代編年研究」
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担 当:千本 真生(主任研究員)
バルカン半島における高精度の青銅器時代編年体系を構築するために、主にブルガリアに位置する遺跡を対象に放射性炭素年代と土器の型式学的特徴を検討し、その編年的位置付けを明らかにする。
- (ヘ) 「古代オリエント博物館資料を活用した教育実践研究」
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担 当:高見 妙(教育普及員)
古代オリエントの考古資料を活用した学習活動がもたらす効果と意義を博物館教育の視点から検証する。
- (ト) 「古代西アジアのスポーツと物質文化におけるその表現」
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担 当:ディヴィナ・ハギス(共同研究員)
現代スポーツの古代形態とその物質文化における表現を研究し、ギリシャ以前のスポーツのパラダイムを考察する。
- (チ) 「古代末期東地中海地域の宗教変遷」
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担 当:藤澤 綾乃(共同研究員)
キリスト教公認後から本格的なアラブ化までの約400年間の東地中海地域における宗教的多数派と少数派の関わり方について考古学的に検証する。
- (リ) 「重りの分布から見る古代の経済活動」
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担 当:常木 麻衣(共同研究員)
古代西アジアの商人の行動範囲や経済圏を重りから探ることで、重りの全体像を把握し、度量衡というシステムが確立した時代の社会状況を解明する。
特別(共同)研究
1. 古代オリエント博物館研究員が代表者として実施する研究
- (イ)「考古学・考古科学分析から構築する北シリア鉄器時代村落生活に関する新歴史像」
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日本学術振興会2023年度発足 基盤研究(B)(一般)
古代オリエント博物館所蔵のシリア考古資料を最新の考古学および考古科学による分析から研究することで、庶民の視点から見た新たな鉄器時代の歴史像を提示する。
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研究期間 :2023年度〜2027年度
代表者 :津本 英利(古代オリエント博物館 研究部長) 研究分担者 :津村 眞輝子(古代オリエント博物館 副館長) 研究分担者 :千本 真生(古代オリエント博物館 主任研究員)
【継続】
- (ロ)「バルカン半島における高精度の青銅器時代編年体系の構築」
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日本学術振興会2022年度発足 基盤研究(C)(一般)
ブルガリアに位置する遺跡から出土した資料の年代測定と土器の型式学的分析を通じて、高精度の青銅器時代編年を構築し、それを西ユーラシア青銅器時代編年体系のなかに位置づける。
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研究期間 :2022年度〜2024年度 代表者 :千本 真生(古代オリエント博物館 主任研究員)
- (ハ)「古代末期パレスチナにおける宗教的少数派の在り方に関する考古学的研究」
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日本学術振興会2023年度発足 若手研究(C)
313年のキリスト教公認後から692年の「岩のドーム」完成による本格的なアラブ化までの約400年間のパレスチナ地域の異教建造物の変遷に着目し、一神教信仰社会下での宗教的少数派の在り方について考古学的に検証する。
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研究期間 :2023年度〜2025年度
代表者 :藤澤 綾乃(古代オリエント博物館 共同研究員)
- (ニ)「重りの分布から見る古代の経済活動」
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日本学術振興会2023年度発足 若手研究(C)
古代西アジアの商人の行動範囲や経済圏を重りから探ることで、従来の政治史上の勢力圏と経済圏が重複するものであるかを検討するとともに、重りの全体像を把握し、度量衡というシステムが確立した時代の社会状況を解明する。
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研究期間 :2023年度〜2025年度
代表者 :常木 麻衣(古代オリエント博物館 共同研究員)
- 【新規】なし
2. 他の研究機関が実施する研究に参加するもの
- (イ) 「アレクサンドリア後背の湖沼地帯における生活文化の復元研究-砂丘頂部の神殿周域住居」
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日本学術振興会2022年度発足 基盤研究(B)(一般)
エジプト西方デルタ一帯における衛星データ分析、地質調査、考古学調査といった複合的な調査成果をもとに、エジプト西方における初期文明からイスラーム文明へとつながる知の連続性と断層を解明する。
研究期間 :2023年度〜2026年度 代表者 :長谷川 奏(早稲田大学総合研究機構 客員上級研究員) 研究分担者 :津村 眞輝子(古代オリエント博物館 副館長)
【継続】
- (ロ) 「後期青銅器時代における地中海東岸地域の都市国家と地域社会の考古学的研究」
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日本学術振興会2022年度発足 基盤研究(B)(一般)
イスラエル国テル・レヘシュの後期青銅器時代の様相を解明するための調査研究を行い、その成果を地中海東岸地域の大きなコンテクストの中に位置づけることを目指す。
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研究期間 :2022年度〜2024年度 代表者 :桑原 久男(天理大学文学部 教授) 研究分担者 :津本 英利(古代オリエント博物館 研究部長)
- (ハ) 「アルメニア高地における初期農耕の北方適応の過程を探る」
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日本学術振興会2021年度発足 基盤研究(B)(一般)
西アジアの北部地域を占めるアルメニア高地に初期農耕文化がどのようにして伝わり、定着したのか、考古学的資料の学際的分析を通じて明らかにする。
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研究期間 :2021年度〜2025年度 代表者 :有村 誠(東海大学文学部 教授) 研究分担者 :千本 真生(古代オリエント博物館 主任研究員)
- (ニ) 「国際協働による西アジア先史時代における交易品の産地同定と交易ネットワークの解明」
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日本学術振興会2021年度発足 国際共同研究加速基金(B)
西アジアの先史時代に見られる交易ネットワークの発達と社会発展の関連性を一次資料に基づいて考古学的に実証することを目指す。
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研究期間 :2021年度〜2025年度 代表者 :前田 修(筑波大学人文社会系 准教授) 研究協力者 :千本 真生(古代オリエント博物館 主任研究員)
- (イ) 「西アジアの古代文明における薬草利用の解明:土器付着炭化物からの薬効成分の検出」
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日本学術振興会2024年度発足 基盤研究(A)(一般)
出土土器に付着あるいは吸着した炭化物から薬効成分を検出し、分析結果を提示し、西アジアにおける古代文明の薬草利用を証明する。
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研究期間 :2024年度〜2028年度 代表者 :足立 拓朗(金沢大学古代文明・文化資源学研究所教授) 研究分担者 :津村 眞輝子(古代オリエント博物館 副館長)
【新規】
日本学術振興会特別研究員の受け入れ
現在、受け入れている日本学術振興会特別研究員はいません